UAV 通信リンクがマイクロ波周波数帯域と干渉する

目標を検出するレーダーとは異なり、通信システムの目的は、ある場所から別の場所に情報を送信することです。したがって、通信システムへの干渉は、レーダー システムへの干渉とは異なります。単純な通信干渉のシナリオを以下に示します。

ここで、受信機によって受信される有効信号の電力 S = ERps-LS +Gr、ここで ERPs は受信機方向の有効信号送信機の等価放射電力 (dBm)、Ls はリンク損失 (dB)、Gr は有効信号送信機方向の受信アンテナのゲイン (dB) です。

妨害装置の妨害対象は、送信機ではなくターゲットの受信機です。通常、レーダーの送信機は受信機と同じ場所にあるため、レーダー システムの妨害とは異なります。

無人航空機 (UAV) リンクへの干渉を考慮する場合は、妨害物体を考慮する必要があります。ドローンには、制御ステーションからドローンへの制御リンク (アップリンクとも呼ばれます) があります。また、ドローンから管制局へのデータリンク (ダウンリンクとも呼ばれます) もあります。

コントロールリンクへの干渉

制御リンクはアップリンクであるため、ジャマーの妨害ターゲットは UAV です。妨害シナリオを次の図に示します。また、いくつかの一般的なパラメータの仮定が与えられています。制御局のバタフライ アンテナ ゲインは 20dBi、サイドローブ分離は 15dB、送信機電力は 1W です。 UAV は地上局から 20 km 離れており、UAV のホイップ アンテナの利得は 3dBi です。

妨害電波がドローンに向けられている場合、対象の受信機が受信する有用な信号の ERP は次のとおりです。

30dBm+20dB=50dBm;

アップリンク損失:

Ls=32.4+20log(20)+20log(5000)=132.4dB;

干渉距離は UAV から 10km で、干渉リンク損失は次のように計算されます。

Lj=32.4+20log(10)+20log(5000)=126.4dB;

妨害波の EPRj: 50dBm+10dB=60dB;

ここで、UAV の受信アンテナがホイップアンテナであり、地上局方向と妨害波方向の利得が等しいと仮定すると、ドライ信号比 J/S(dB)=ERPj-ERPs-Lj+Ls=16dB と計算できます。

データリンクへの干渉

データリンクもダウンリンクであり、妨害装置の妨害対象は地上局に変わります。バタフライ アンテナは地上局で採用されることを想定しているため、通常、干渉信号はアンテナのサイドローブから侵入し、妨害波の状況は次のようになります。

このとき、有効信号 ERPs=33dBm、リンク損失は 132.4dB です。ジャマーの ERPj は 60dBm で、ジャマーの方向における地上局のゲインは UAV が位置するメイン ローブのゲインより 15dB 低いため、20-15=5dBi となり、ドライ信号比は次のように計算されます。

J/S(dB)=ERPj-Lj+Gj-(ERPs-Ls+Gr)=12dB;